浄土真宗のご本尊は阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)という仏さまです。阿弥陀如来は仏さまと成られる前に、生まれては死に、出会いと別れを繰り返す私たちの苦しみ悲しみをご自身のこととして、「すべての者をお浄土に生まれさせ仏さまにすることができないなら、我も決して仏とはならない」とお誓いになられました。そして、永遠ともいえるほどの時間をかけてご修行を重ねられ、ついにお誓い通りの仏さまと成られました。
 お名前の「阿弥陀」とは無量という意味です。限りない寿命によっていつでも、果てしない光明によってどこにでも至り届いて下さる仏さまなのです。そして、私たちがお浄土に生まれたいとも仏さまに成りたいとも思わない時から、阿弥陀如来は「まかせよ、必ず我が浄土に生まれさせ仏さまにする」と喚び続けてくださいました。その救いを告げる喚び声こそが「南無阿弥陀仏」なのです。
 阿弥陀如来の喚び声は、今ここに至り届き、私の口から「南無阿弥陀仏」のお念仏となってあらわれ出て、いつもご一緒くださいます。それは私の声でありながら、そのままが私に至り届いた阿弥陀如来の喚び声そのものなのです。

法名・院号の意味

 法名は、仏さまのみ教えに生きることを決意した人に与えられるものであり、仏弟子であることをあらわす名前です。仏弟子としての名告りですから、お釈迦さまの釈(釋)の字をいただいて「釈(釋)○○」といただきます。
 法名は、生前に「帰敬式(おかみそり)」を受式してご門主様からいただくものですが、故人が帰敬式を受けておられなかった場合は、所属寺の住職が帰敬式を行い葬儀をとりおこないます。
 なお、浄土真宗では戒名という言い方はしません。戒名は自力修行を目指し受戒した人に授けられる名前ですから、浄土真宗にはそぐいません。
 院号は、寺院の護持・発展に功績のあった方に、授与されるものです。詳細は所属寺にお尋ねください。